2008年02月10日
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7巻・57~58時間目扉絵、舌を巻く見事な構成、身長差をアクセントに変換した構成

Written By: 川俣 晶連絡先

 7巻・57~58時間目扉絵が凄い。

 これは、言葉では分かりにくいと思うので、あえてスキャン画像を引用しつつ説明します。

 まずこの絵には構成を規定する3本の直線が見て取れます。

7巻・57~58時間目扉絵

 上下を貫通するラインは、背景の柱とテーブルの支柱、ロゴの「ま」の字の垂直ラインの3つを用いて構成され、右側と左側の構造を切り離しています。

 そして問題は右側ですが、ここでは3人の少女の頭のラインと、スカートの下端のラインという2本のラインが見て取れます。

 ただし、身長差の問題からまき絵の頭の位置が揃いません。その代わり、アキラが持つ飲み物のカップが、ラインを成立させる位置に来ています。

 これにより、上下2本の平行したラインが成立すると共に、絵が単調化することを回避しています。

 実に見事な構成です。

 全く本当に見れば見るほど酔える作品です。

2008/02/11追記・8巻64時間目の扉絵 §

 8巻64時間目の扉絵は、夏美のアゴの下端→小太郎の頭(≠髪)の頂点→千鶴のアゴの下端、というラインがあり、かつ、背景の建物のラインと平行しています。実に調和の取れた美しい絵です。

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